ジェネリック医薬品」って | |
医療薬学科 助手 木下 淳先生 |
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Q: | 最近よく耳にする「ジェネリック医薬品」って、どんな薬ですか? |
A: | 最近、医療機関あるいは新聞、テレビなどのメディアで「ジェネリック医薬品」という言葉を聞いたことがある方が多くいらっしゃるかと思います。 ジェネリック医薬品とは「既に承認されている有効成分を含有する医薬品のうち効能・効果、用法・用量、投与経路、投与剤型、含量が、既に承認されている医薬品と同じ医薬品」と定義されていますが、ひとことでいうと、新薬としての特許が切れたあとに発売される、同じ成分を含む安い薬です。 日本における医療費の高騰が連日新聞紙上に取り上げられていますが、平成16年度の国民医療費は32兆円を突破し、国民所得に対する割合は8.89%にまで膨れ上がりました。また、国民医療費に占める薬剤費の割合は、約20%を占めています。このことを受け、価格の安いジェネリック医薬品が注目を集めるようになったのです。 医療機関に受診して処方せんが発行されると、備考の欄に「後発品への変更可」という記載があります。平成17年から、この欄に処方した医師の署名または記名押印があれば、保険薬局でジェネリック医薬品へ変更して調剤をすることが可能となりました。その際、ジェネリック医薬品へ変更すると、薬局に支払うお薬代が通常2割から3割程度安くなります。特に長期にわたる薬物療法を受けている場合、大きな違いになってきます。 アメリカやヨーロッパではジェネリック医薬品の普及率が4~5割を占めるようになってきていることから、今後日本においても、ジェネリック医薬品の市場は拡大していくことが予想されます。 ジェネリック医薬品に限った事ではありませんが、医療を受ける際には、医師や薬剤師から十分な説明を受けることをお勧めします。 |
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会報Vol.20(2007年8月) |