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ちょっと気になる子どもたち

医療保健学部作業療法学科 教授 太田 篤志先生

Q: 最近、小学校などで「落ち着きのない子ども」が問題になっていますが、親の育て方が悪いのでしょうか?
A:  注意集中が難しい、いつも動き回り落ち着きがない、特定の科目ができない、場の雰囲気が読めず対人関係が苦手など、“ちょっと気になる子どもたち”が、教育、医療の現場で話題になっています。このような子どもたちの一部は、脳機能の発達に偏りがあると考えられており、“発達障害”と呼ばれることもあります。この原因は、脳機能の問題ですので、決して親の育て方や養育環境が原因ではありません。通常学級に1~2人の割合で存在すると言われており、非常に身近な子どもたちです。学力、対人技能、行動面などの能力に発達のアンバランスさがあることが多く、非常に活発な子、とても怖がりの子、運動が不器用な子など、子どもたちの状態は様々で一様ではありません。映画俳優のトムクルーズは、字を読むことが苦手なタイプの発達障害であることは有名な話です。アインシュタイン、エジソンもそうであったと言われています。子どもたちは、その特性に応じた対応・教育の機会を得ることができれば、得意な部分の能力を最大限に発揮することができます。

Q:  周囲の人ができることは?
A: 21-01 子どもたちが苦手なことや失敗したことを、子どもの根気や努力の問題として捉えないことです。「どうしてできないの!」と対応するのではなく、「どのような工夫をするとできるかな“という観点で、苦手さを上手く補うような方法を考えてあげるような対応が好ましいと思われます。また日頃から怒られていることも多いので、できるだけ子どもの良いところを褒めてあげることも大切です。このような子どもたちは、「困った子ども」ではなく、「困っている子ども」という認識を持ち、優しい気持ちでサポートしていきたいですね。

Q: 気になる子どもの相談は?
A:  まずは学校の担任や保健室の先生に相談してみてください。学校で相談しにくい場合には、市の「こども家庭センター」などの機関でも相談することができます。姫路獨協大学でも、社会貢献事業の一環として“気になる子ども”の支援を行っています。ご興味がある方は、ホームページ QA-21-01 をご参照ください。 


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  会報Vol.21(2008年1月)