会社・店舗の業績を伸ばすために | |
経済情報学部 准教授 小林 崇秀先生 |
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Q: | 売上が伸びない理由を分析したいのですが。 |
A: | 「商品には自信があるのに一向に売上が伸びない」「大量に広告をうっているのにそれに見合った売上を確保できない」。会社や店舗を経営している経営者の方々ならば、一度は似たような悩みをもたれたことがあるかもしれません。ここでは事業活動を見直す基本的な手段として、「マーケティングの4P」という考え方を紹介していくことにしましょう。 「マーケティングの4P」とは、「製品:Product」、「価格:Price」、「場所(流通):Place」、「販売促進:Promotion」のことを指し、企業の販売活動の根幹をなすものです。4Pと呼ぶのは、この4つの英語の頭文字がすべてPから始まるためです。 さて、この4つのPはあなたの顧客に適合したものとなっているでしょうか?機能面・品質面に優れた「製品」であったとしても、本当に顧客が求めているものとなっているでしょうか?例えば、ビジネスマンの多い駅改札前の喫茶店ならば、じっくり時間を掛けておいしくいれたコーヒーよりも、リーズナブルですぐに出てくるコーヒーの方が顧客受けはよいかもしれません。また、売り方(「場所(流通)」)に問題はありませんか?製品・顧客によっては、店舗販売よりも通信販売のほうが向いているものもあるかもしれません。「販売促進」は顧客にあったものとなっているでしょうか?例えば若者向けの製品なら新聞広告よりもケータイ広告、あるいはクチコミの方が効果的かもしれません。さらに4つのPの間の整合性はとれているでしょうか? 例えば、高級品(「製品」)を謳っているのに、ディスカウントショップ(「場所(流通)」)で「大特価!!」(「販売促進」)と大々的に宣伝し、逆にブランドイメージを壊してはいませんか?マーケティングの4Pはビジネスの基本となるものです。まずは、ここから考えてみましょう。 |
Q: | 現在の店舗の経営に加えてインターネットショップを始めたいのですが、どうすればよいのでしょうか? |
A: | ネットショップを始める方法には大きくわけて二つあり、一つは自社で独自ドメインをとって出店する方法、もう一つは楽天市場やYahoo!ショッピングなどのショッピングモールに出店する方法があります。しかし、一般に、独自ドメインによる出店は、もともとの店舗や製品に余程の知名度がない限り、アクセス数を伸ばすのは非常に困難であるといわれています。一方のショッピングモールによる出店は、そのショッピングモールの知名度にもよりますが、独自ドメインによる出店よりもアクセス数を伸ばしやすいといわれています。他にもセキュリティやメンテナンス、ネットショップ運営に必要なサービス機能といった面からも、初めてインターネットショップを開設しようとする人には、ショッピングモールへの出店がお勧めかもしれません。しかし、ショッピングモールの中には競合店が数多く出店しています。その中でアクセス数を伸ばそうとするならば、実店舗での経営同様、他の店舗に負けない強みを用意しておくことが必要です。既に実際の店舗を持っているならば、ネットショップとの相乗効果を狙う「クリック・アンド・モルタル」というビジネス手法も利用できます。例えば、仕入れや流通ルートを共有できれば、品揃えや配送・納期の面で強みを発揮できるかもしれません。 |
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会報Vol.23(2009年1月) |