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外貨預金のポイント -メリットと注意点-

QA30-浦山先生

経済情報学部 准教授 浦山剛史先生

外貨預金のポイント メリットと注意点

QA30-01 外貨預金とは、ドルやユーロといった外貨でする預金のことです。最近、政権が変わって円安に動く気配もありますが、それでもまだ円高水準にあることもあり、投資対象として注目されているのが外貨預金です。

QA30-02 外貨預金のメリットは、①円による預金(一般の預金)よりも高い金利と②円安になったときの為替差益の2つがあります。

①円による預金(一般の預金)よりも高い金利
 下の表はある都銀の2013年1月における円による定期預金と主な外貨による外貨預金の金利をまとめたものです(両方とも1年定期)。円による1年定期預金の金利が0.025%であるのに対し、オーストラリアドルによる1年外貨定期預金の金利は1.100%となっており、通貨によっては円の定期預金よりもかなり高い金利が適用されるものがあります。

円定期預金  外貨預金
(米ドル)
 外貨預金
(ユーロ)
 外貨預金
(英ポンド)
 外貨預金
(豪ドル)
0.025%  0.010% 0.010% 0.120%  1.100%
※円定期預金については、預金額が300万円未満の場合の金利
 外貨定期預金については、預金額が10万米ドル相当額未満の場合の金利

②円安になったときの為替差益
 例えば、1ドル=80円のときに100万円(12,500ドル)を預金し、1ドル=90円になったときに引き出すと、112万5千円(=12,500ドル×90円)となり、12万5千円も利益を得ることができます。(利息、税金、為替手数料は考慮せず)
外貨預金の注意点

外貨預金には上で説明したような魅力的な点もありますが、外貨預金で運用する場合は、次のような点に注意しなければなりません。

①円高になったら為替差損が発生する
 先ほどの例と同じように1ドル=80円のときに100万円を預金したが、円高となり1ドル=70円になったときに引き出した場合、87万5千円(=12,500ドル×70円)にしかならず、逆に損失を被ることになります。

②為替手数料がかかる
 外貨預金については、預け入れる際と引き出す際に「為替手数料」というものがかかります。例えば、先ほどと同じ都銀のオーストラリアドルによる外貨預金には「片道2ドル」の為替手数料がかかります。どういうことかといいますと、1ドル=80円のときに預け入れたら「1ドル=82円」で預け入れたとみなされ、1ドル=84円のときに引き出したら「1ドル=82円」で引き出したとみなされます。ということで、この場合、預入時よりも引出時の為替相場が4円以上も円安になっていないと為替差益は発生しないことになります。 

③預金保険制度の対象外である
 外貨預金は預金保険制度の保護対象外ですので、預金した金融機関が破綻した場合、元本が返ってこない可能性があります。
おわりに
 以上のように、外貨預金には金利が高い、円安になれば為替差益が発生するというメリットがありますが、逆に円高が進行した場合、大きな為替差損が発生するリスクもありますので、外貨預金で運用する際は十分注意してください。 


ご回答いただいた先生方のご所属および役職は会報発行時のものです。現時点のご所属、役職とは異なっている場合がありますのでご了承ください。 
  会報Vol.30(2013年4月)