| WindowsXPはいつまで使えるの？ |
 経済情報学部 教授 佐野 智行先生 （キャリアセンター長） |
今年に入ってから、WindowsXPのサポート終了に関してのニュースを目にした人も多いと思います。サポートが無くなって、すぐにコンピュータが使えなくなるわけではありませんが、使い続けることにより、個人情報の漏えいなど、様々なリスクが大きくなっていきます。そこで、どのような問題があり、どうすれば良いかについて説明します。 WindowsXPは2001年11月にマイクロソフト社から発表され2010年10月までの9年間販売されていました。そして、今年の4月8日にサポートが終了しました。なぜ、サポートが無くなるとリスクが高くなるのでしょうか？昔のコンピュータに比べて、今のコンピュータはシステムが複雑になっているので、発売した後でいろいろな不都合が見つかることがあります。家に例えると、「ドアを10000回ノックしたらカギが外れる」、「勝手口のドアを押しながら上にあげると簡単に外れてしまう」のように、普段想定しない特殊な条件が揃った時に不都合が起こります。発売前に様々なチェックをしていますが、すべての不都合を見つけ出すことはできません。そこで、不都合が見つかった場合に、修正用のプログラムを配布して不都合が起こらないようにしています。Windowsの場合は月1回程度の割合で修正プログラムが配布されています。サポートが無くなっても、今まで通りWindowsXPを使い続けることはできますが、コンピュータに侵入されるような不都合が見つかっても、修正されることはないので日が経つごとに危険性が増していきます。 WindowsXPはパソコン以外にもPOSシステムなどの端末でも使用されていますが、ライセンスのシール等が外に貼っていない場合には、WindowsXPが使われていると気が付かない場合があります。これらの機器もサポートが終了しますので、クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standards)に対応できなくなる恐れがありますので、注意してください。とりあえず、インターネットに接続せずに、ワープロや表計算を使用するだけでしたらリスクを低くすることはできますが、USBメモリーを経由してウイルスに感染する可能性もありますので、なるべく早くWinodwsXPの利用をやめる必要があります。古いコンピュータではWindows8が動作しない場合が多いので、コンピュータを使い続ける方法として、Linuxをインストールする方法があります。 Linuxはホームページを公開するためのサーバなどで使用されているシステムでDebian、Fedora、Ubuntuなど様々な種類があり、無料で使用することができます。以前はコンピュータに関する知識が必要でしたが、現在はマウスによりWindowsと似た画面で操作ができるようになっています。マイクロソフト社のWordやExcelは使用できませんが、無料で配布されているOpenOfficeやLibreOfficeを利用することでワープロや表計算の処理を行うことが出来ますし、ホームページの閲覧やメールの送受信など基本的な機能は用意されています。Windows8よりは使いやすいかもしれません(^_^; Windows8は操作環境が大幅に変更されているため、「Windows8は使いにくい．．．」という声を多く聞きます。私自身も慣れるまでに時間がかかりました．．．ひとつ前のWindows7を利用したい場合は、メーカー直販サイトから購入することが可能です。現在のところWindows7は2020年1月までの延長サポートが予定されていますので、6年間は大丈夫です。 現在発売されているWindows8.1ではスタートメニューが復活して多少使いやすくなりましたが、「Classic Shell」というソフトをインストールすると、従来の「スタート」ボタンと同じ機能が利用できるようになります。私も使用していますが、Windows8になかなか慣れない人に評判のいいソフトです。 WindowsXPを使い続けると、自分が被害にあうだけでなく、登録されているメールアドレスにウイルスメールを送るなど、他の人に迷惑をかける場合がありますので、できる限り早めに移行をお願いします。 |
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| 会報Vol.31（2014年8月） |
